CoreOSで遊ぶ(その2:特に意味もなくPukiwiki環境を作る)

この記事はぴょこりんクラスタ:Re Advent Calendar 2016 - Adventarのために書いたものです。

サマリ

  • php:fpm-alpine + nginx:alpineでpukiwiki環境を作った
  • 楽がしたい場合はphp:apacheを使え
  • docker-composeが使えるとさらに楽

はじめに

コンテナ連携ごっこがしたかったので、pukiwikiを動かすという名目で httpサーバ用コンテナとphp実行用コンテナを分けて動かしてみた*1

単に動かしてみるところまで

使ったイメージはもちろんalpine linuxをベースにしている公式イメージで、とにかくサイズが小さいのがジャスティス。 楽をしたいならphp:apacheというDebianベースのイメージを使ったほうがよい。何よりはまらないしね。

ディレクトリのバインドはnginxコンテナとfpm-php両方にやる必要がある(当然ぽいけど僕ははまった)。 *.phpの要求が来る→fpm-phpコンテナに向かって要求を飛ばす→fpm-phpコンテナが要求を実行して結果を返す→nginxがレスポンスを返す、という流れですね。

$ docker run -v /home/bisco/pukiwiki:/var/www/html/wiki --name fpm-php -h fpm-php -d php:fpm-alpine
$ docker run -v /home/bisco/pukiwiki:/var/www/html/wiki --name nginx -h nginx --link fpm-php:php -p 80:80 -d nginx:alpine

docker runするだけじゃダメで、nginx側に設定が追加で必要がある。

# alpine linuxのシェルは/bin/ash
$ docker exec -it nginx /bin/ash
$ cd /etc/nginx.conf/conf.d/
$ vi server.conf

server.confはこれ。fastcgi_pass php:9000phpのところは、--linkで指定した名前を書く。

server {
    listen 80 default;
    server_name _;
    root /var/www/html;
    index index.php index.html index.htm;
    charset utf-8;

    access_log off;
    error_log off;

    location / {
        try_files $uri $uri/ /index.php$is_args$args;
    }

    location ~ \.php$ {
        fastcgi_pass php:9000;
        fastcgi_index index.php;
        fastcgi_param SCRIPT_FILENAME  $document_root$fastcgi_script_name;
        include       fastcgi_params;
    }
}

設定書いたら一応リスタートさせておく。

$ docker restart nginx

手作業でphpinfo.phpを放り込んでから、ブラウザでアクセスしてみると、うまく行ってればいつもの画面が表示されるはず。

$ docker exec -it fpm-php /bin/ash
$ echo "<?php phpinfo(); ?>" > /var/www/html/index.php

phpの動作が確認できたら、pukiwiki.ini.phpの修正とcacheファイルの権限を CoreOSから変えておく。

# autoだとちゃんと認識できないのでURLを入れる。
$ vi pukiwiki.ini.php
// Specify PukiWiki URL (default: auto)
$script = 'http://xxx.xxx.xxx.xxx/wiki/';

// cache以下のファイルがライトできなかったので777にしておく
$ sudo chmod 777 cache/*

この面倒な作業を全部勝手にやってほしい

docker-composeを使おう!!!

手順はこう。

  1. docker-composeをインストールする
  2. Dockerfileを作る
  3. docker-compose.yamlを作る
  4. docker-compose up -d

docker-composeのインストール

CoreOSにdocker-composeを導入 - Qiita に全部書いてあるのでコマンド履歴だけ。

$ mkdir -p /opt/bin
$ curl -L https://github.com/docker/compose/releases/download/1.9.0/docker-compose-`uname -s`-`uname -m` > /opt/bin/docker-compose
$ chmod +x /opt/bin/docker-compose
$ docker-compose version
docker-compose version
docker-compose version 1.9.0, build 2585387
docker-py version: 1.10.6
CPython version: 2.7.9
OpenSSL version: OpenSSL 1.0.1t  3 May 2016

Dockerfileとかdocker-compose.yamlを作る

ディレクトリ構成をこうしてファイルを作る。

  • ./
  • docker-compose.yaml
    • ./fpm-php/Dockerfile
    • ./fpm-php/index.php
    • ./nginx/Dockerfile
    • ./nginx/server.conf

docker-compose.yaml。imageを指定すると、buildしたイメージに名前がつけられる。 linkに指定する:aliasのは、services直下のタグ?を指定する。container_nameを指定するのは間違い(僕ははまった)。

version: '2'

services:
    fpm-php:
        build: ./fpm-php
        image: fpm-php-sandbox
        container_name: fpm-php
        volumes:
            - /home/bisco/pukiwiki:/var/www/html/wiki

    nginx:
        build: ./nginx
        image: nginx-sandbox
        container_name: nginx
        ports:
            - 80:80
        links:
            - fpm-php:php
        volumes:
            - /home/bisco/pukiwiki:/var/www/html/wiki

fpm-php/Dockerfile

FROM php:fpm-alpine
COPY index.php /var/www/html

fpm-php/index.php

<?php phpinfo();?>

nginx/Dockerfile

FROM nginx:alpine
ADD server.conf /etc/nginx/conf.d/server.conf

nginx/server.conf

server {
    listen 80 default;
    server_name _;
    root /var/www/html;
    index index.php index.html index.htm;
    charset utf-8;

    access_log off;
    error_log off;

    location / {
        try_files $uri $uri/ /index.php$is_args$args;
    }

    location ~ \.php$ {
        fastcgi_pass php:9000;
        fastcgi_index index.php;
        fastcgi_param SCRIPT_FILENAME  $document_root$fastcgi_script_name;
        include       fastcgi_params;
    }
}

docker-compose up -d

あとは何も考えずコマンドを実行すれば動いてくれる。

$ docker-compose up -d

*1:wikiがほしいわけではない

CoreOSで遊ぶ(その1:とりあえずインストール)

この記事はぴょこりんクラスタ:Re Advent Calendar 2016 - Adventarのために書いたものです。

サマリ

Chinachu + Mirakurunをコンテナで入れられることにいたく感動したので、 コンテナの勉強をするべくCoreOSを入れて遊んでみたという話。

CoreOSとは何か

コンテナを動かすためだけのLinuxディストリビューション。 アプリケーションは基本的にコンテナに放り込んで動かすという思想の元、 OS自体をものすごく薄くしたもの、だと思う。

まだあまりよくわかってないけど、ほぼ全部コンテナで動くということは、 面倒なバージョン依存地獄から解放されるんだという期待で膨らみますね。

遊んでいる環境

Windows上のVirtualboxにCoreOSを入れている。

インストール

まずはじめに、ISOファイルをhttps://coreos.com/os/docs/latest/booting-with-iso.htmlから落としてくる。 VirtualboxにはもちろんCoreOS用の設定はないので、Other Linux(64bit)を選び、メモリを1GB以上にする。

立ち上げると普通にコンソールが出てくるので、公式のInstalling to Diskに従い、インストールすればOK。 Virtualboxの画面からやろうとすると、英語配列キーボードのせいでやりにくくて仕方ない上にキー配列が変えられないので、 PuTTYとかからsshしたほうが楽でよい。

$ sudo passwd core # デフォルトユーザは"core"なので、coreのパスワードを設定してやるとsshで入れる
$ ifconfig # IP確認して、以後sshクライアントからログインして実施

$ sudo su - 
$ vi cloud-config.yaml
$ coreos-install -d /dev/sda -c cloud-config.yaml -C beta #せっかくなのでbetaくらい入れてみる。alphaを入れる度胸はなかった。

cloud-config.yamlは最低限ssh_authorized_keysを設定しておけばいいんだけど、ユーザくらいは追加しておくようにする。 ユーザも最低限groupと公開鍵さえ登録しておけばいいと思う。パスワードは公開鍵登録しておけば不要。

先頭行の#cloud-configはおまじないで、これがないと受け入れてもらえないので注意。あと、よく先頭の-を忘れるので注意。

#cloud-config

ssh_authorized_keys:
  - ssh-ed25519 ......

users
 - name: "bisco"
   groups:
     - "docker"
     - "sudo" 
   ssh-authorized-keys:
     - "ssh-ed25519 ....."

インストールが終わると、リブートして再度立ち上がってくる。ISOファイルを外すのを忘れやすいし、現に僕は忘れてた*1

Hello Worldする

動作確認といえばHello Worldだよね。ダウンロード時間が短くてすむbusyboxコンテナでHello Worldしてみよう。 手元にイメージがなくても、勝手にstore.docker.com(たぶん・・・)から落としてきてくれるので、気にせずrunすればいい。

bisco@core ~ $ docker run busybox /bin/echo "hello world"
Unable to find image 'busybox:latest' locally
latest: Pulling from library/busybox
56bec22e3559: Pull complete
Digest: sha256:29f5d56d12684887bdfa50dcd29fc31eea4aaf4ad3bec43daf19026a7ce69912
Status: Downloaded newer image for busybox:latest
hello world

なお、原則として、Dockerコンテナ1つにつき1プロセスしか動けないので、サービスを複数動かそうとすると失敗する。 複数プロセス動かすときはsupervisordとかいれる必要がある。

次は?

これだけだとCoreOS試した意味があまりないので(単にdockerでコンテナ作っただけだし)fleetとかetcdを試してみる。

*1:勝手に外れてくれないというあれ

Linuxに関する性能問題に一緒に立ち向かってくれるperfという心強い味方

この記事はぴょこりんクラスタ:Re Advent Calendar 2016 - Adventarのために書いたものです。

サマリ

  • perfというLinux性能問題に立ち向かうための強力なツールがあるのでみんな使おう!
  • 今回は自分のよく使うperf top、perf record、perf scriptについて紹介するよ!
  • manが詳しいので困ったらmanを読んだほうがいいよ!

背景

プログラムを作る上で、性能問題を回避することはできない。 自分のプログラムならトレースを仕掛ければいいんだけど、 OSが絡んでいたり、性能が出ないコードの書き方をしていたりするとトレースだけでは難しいこともある。 そんなとき、割と何でも見られるperfが役に立つこともあるかもしれない。

perfとは

Linux用のプロファイリング・トレーシングツール。 manを見ると"perf - Performance analysis tools for Linux"とあって、本当にそのままの名前。 ハードウェアのパフォーマンスカウンタを採取したり、カーネル内に仕掛けられたトレースポイントで 情報(カウントだけじゃなくトレースポイントに応じて)を取ったりできる。

perfのインストール

何も考えずにaptなりyumなりで入れられる。aptの場合はなぜかlinux-tools-genericに入っているので注意。自分でコンパイルしようとすると、Linuxカーネルソースが必要な上に、いろいろ依存ライブラリが多くて面倒なのでおすすめはしない。

# Ubuntuの場合
$ sudo apt install linux-tools-generic

# CentOSの場合
$ sudo yum install perf

とりあえずperf topで中を見てみる

perf topとは文字通りtopコマンドを関数単位で実行してくれるようなもので、プロファイリング結果をリアルタイムで覗けるツール。perf topをするとこんな感じ。 CentOSでいうところのdebuginfoが入っていないのでnodeやら何やらアドレス値しか見えないけど、debuginfoが入っているものや-g付きでコンパイルしたものは関数名が見える。

$ sudo perf top

f:id:nbisco:20161211184947p:plain

perf topはデフォルトでCPUのサイクルをいちばん食っている(要は時間)もの上位を出力してくれるけど、 もちろん違う指標でプロファイリングもできるし、コアやプロセス、スレッド狙い撃ちもできる。 よく使いそうなオプションはこの辺ですかね。

  • -C <cpu-list>:デフォルトでシステム全体のところを、コアを狙い撃ちすることができる。-C 0-3とか、-C 0,1,2,3みたいに使う
  • -p <pid>:PID指定。-p 0,1,2みたいに複数指定もできる
  • -t <tid>:TID指定。TIDはps auxww -Lで確認しよう
  • -u <uid|user_name>:uidもしくはuser_nameで指定したユーザが実行中のプロセスについて表示
  • -c <count>:イベントが<count>回発生するごとに情報採取
  • -f <freq>:プロファイリング周期
  • -e <event>:プロファイルするイベント。ハードウェアのパフォーマンスカウンタ(例えばサイクル数とかキャッシュミス数とか)とか、カーネル内のトレースイベントを指定できる。

-e について

どんなものが指定できるか?

perf listで指定可能なイベントはほぼ全部見られる。ここで出てきた名前をそのまま-eオプションに渡してやればいい。 親切な名前がついているので、おおよそ名前の通りのイベントが取れる。

$ perf list

List of pre-defined events (to be used in -e):

  branch-instructions OR branches  [Hardware event]
  branch-misses                    [Hardware event]
  bus-cycles                       [Hardware event]
  cache-misses                     [Hardware event]
  cache-references                 [Hardware event]
  cpu-cycles OR cycles             [Hardware event]
  instructions                     [Hardware event]
  ref-cycles                       [Hardware event]
<中略>
  L1-dcache-load-misses            [Hardware cache event]
  L1-icache-load-misses            [Hardware cache event]
  L1-icache-loads                  [Hardware cache event]
  LLC-loads                        [Hardware cache event]
  LLC-prefetch-misses              [Hardware cache event]
  LLC-prefetches                   [Hardware cache event]
  LLC-store-misses                 [Hardware cache event]
  LLC-stores                       [Hardware cache event]
  branch-load-misses               [Hardware cache event]
  branch-loads                     [Hardware cache event]
  dTLB-load-misses                 [Hardware cache event]
  iTLB-load-misses                 [Hardware cache event]
  iTLB-loads                       [Hardware cache event]
<以下略>

ハードウェアのイベントの指定方法について

"ほぼ全部"なのは、perf listには載っていないけどCPUのアーキテクチャ依存な直接指定できるイベントが存在するから。 man perf topを見ると、perf stat -e r1a8 -a sleep 1なんて例が載っているけど、CMASKとかINVとかの指定の仕方がわかりにくい*1ので、冗長だけどわかりやすい指定方法で指定すればいいと思う。 コアイベントだけじゃなく、uncoreイベントも同様に取れる。

# 以下の2つは同じ意味(のはず。CMASK指定してなさそうだし)。
# 最後のsleep 1は、1秒間だけ測定するときの定型句。
$ perf stat -e r1a8 -a sleep 1
$ perf stat -e cpu/event=0xa8,umask=0x1,name=LSD.UOPS,cmask=0/

ハードウェアのパフォーマンスカウンタに何があるか、どんな値を指定すればよいかは、IntelのDeveloper's Manual Vol.3Bを見よう。

perf recordとperf script

perf recordは文字通りハードウェアのイベント/ソフトウェアのトレースポイントでのイベントを採取してくれるもの。ソフトウェアのトレースポイントと言うのは、例えば、割り込みハンドラがいつ動いたかとか、どのプロセスからどのプロセスへコンテキストスイッチしたか、等々が該当する。

例として、結構よく取られそうなスケジューリング関連の統計情報イベントを取ってみる。 スケジューリング関係のイベントは、perf listで見たときに全部sched:というprefixがついているのでわかりやすい。 その中の統計情報イベントはsched:sched_stat_xxxxという形式で書かれている。

$ sudo perf list | grep sched: | grep stat
  sched:sched_stat_blocked              [Tracepoint event]
  sched:sched_stat_iowait               [Tracepoint event]
  sched:sched_stat_runtime              [Tracepoint event]
  sched:sched_stat_sleep                [Tracepoint event]
  sched:sched_stat_wait                 [Tracepoint event]
  sched:sched_stick_numa                [Tracepoint event]

スケジューリング関連の統計情報イベントを5秒間採取するには、以下のコマンドを打てばOK。 以下のコマンドを実行すると、カレントディレクトリにperf.dataというバイナリファイルができあがっている*2。イベント間にスペース入れると実行できなくなるので注意*3

# -aはシステム全体を情報採取対象とするオプション、-Tはタイムスタンプをつけるオプション
$ sudo perf record -T -a -e sched:sched_stat_blocked,sched:sched_stat_iowait,sched:sched_stat_runtime,sched:sched_stat_sleep,sched:sched_stat_wait,sched:sched_stick_numa -- sleep 5

perf.dataができたら、perf scriptで中身を見てみよう。いっぱい行があって、"なるほど、わからん"という気分だと思う。

            perf 25665 [000] 10703.314496: sched:sched_stat_runtime: comm=perf pid=25665 runtime=668711 [ns] vruntime=4029076279864 [ns]
            perf 25665 [000] 10703.314522: sched:sched_stat_runtime: comm=perf pid=25665 runtime=26659 [ns] vruntime=4029076306523 [ns]
       rcu_sched    10 [000] 10703.314524: sched:sched_stat_runtime: comm=rcu_sched pid=10 runtime=2203 [ns] vruntime=4029072613356 [ns]
       rcu_sched    10 [000] 10703.314525: sched:sched_stat_runtime: comm=rcu_sched pid=10 runtime=1190 [ns] vruntime=4029072614546 [ns]
           sleep 25666 [000] 10703.314970: sched:sched_stat_runtime: comm=sleep pid=25666 runtime=444092 [ns] vruntime=4029073055245 [ns]
           sleep 25666 [000] 10703.315009: sched:sched_stat_runtime: comm=sleep pid=25666 runtime=39401 [ns] vruntime=4029073094646 [ns]
         rcuos/0    11 [000] 10703.315042: sched:sched_stat_runtime: comm=rcuos/0 pid=11 runtime=32519 [ns] vruntime=4029072643672 [ns]
         rcuos/0    11 [000] 10703.315043: sched:sched_stat_runtime: comm=rcuos/0 pid=11 runtime=1479 [ns] vruntime=4029072645151 [ns]
       rcu_sched    10 [000] 10703.315044: sched:sched_stat_runtime: comm=rcu_sched pid=10 runtime=1413 [ns] vruntime=4029072615959 [ns]
       rcu_sched    10 [000] 10703.318039: sched:sched_stat_runtime: comm=rcu_sched pid=10 runtime=5552 [ns] vruntime=4029072621511 [ns]
       rcu_sched    10 [000] 10703.318040: sched:sched_stat_runtime: comm=rcu_sched pid=10 runtime=2378 [ns] vruntime=4029072623889 [ns]
         rcuos/0    11 [000] 10703.318047: sched:sched_stat_runtime: comm=rcuos/0 pid=11 runtime=6431 [ns] vruntime=4029072651582 [ns]
      memballoon  8171 [000] 10703.512849: sched:sched_stat_runtime: comm=memballoon pid=8171 runtime=67601 [ns] vruntime=4029072678754 [ns]

おおよそ察しはつくかもしれないけど、単にperf scriptを実行したときのsched_stat_runtimeのフォーマットはこんな感じ。

<プロセス名> <PID> [<コア番号>] <タイムスタンプ>: <イベント名>: comm=<実行中コマンド名> pid=<PID> runtime=<RUNNING状態だった時間> vruntime=<Linuxのスケジューラがスケジューリングに使う仮想的な時間>

runtimeは(たぶん)RUNNING状態だった時間であって、プログラムが動作し続けていた時間と必ずしも等しいわけじゃないことに注意されたし*4。vruntimeはスケジューラが使う仮想的な時間なので見てもあまり意味がない*5

perf scriptにオレオレスクリプトでデータ整形してもらう

perf scriptはベタに結果を出力する機能以外にも、自分で作った整形スクリプト(言語はPerlもしくはPython)を使ってくれるという便利機能がある。 手順は以下の3ステップ。

  1. perf scirpt -g <python|perl>で雛形を作ってもらう
  2. 雛形を書き換える
  3. perf script -s <自分の作ったスクリプト>で集計を実行してもらう

例えば、runtimeの合計と平均を出すにはこんな感じ。

gist.github.com

さいごに

perfは大変便利な道具ですが、道具に振り回されないようにがんばる必要がありますね。

*1:というかどう指定すればいいかよくわからん

*2:出力先は-o filenameで指定することもできる

*3:僕は5分位はまった

*4:割り込み処理中はRUNNING状態から遷移しないので、RUNNING状態だけど動作していない場合がある

*5:実時間がniceで重み付けされた時間になっているはずだけど、これがどうということはあまりない、かもしれない

Windowsに必ず入れるソフト

この記事はぴょこりんクラスタ:Re Advent Calendar 2016 - Adventarのために書いたものです。

サマリ

最近Windowsを新しくインストールする機会があり、せっかくなので備忘録的に何を入れたか残しておく。

一覧とちょっとしたコメント

  • ブラウザ:Firefox(ツリー型タブとBeyond Australisのせいで捨てられない)
    • Autopagerize
    • Beyond Australis
    • ツリー型タブ
    • FireGestures
    • はてブ
    • Omnibarの開発が止まっていたけど、代替品としてBeyond Australisが使えるのでChromeに引っ越さなくてもよくなった。大変うれしい。
  • 動画:VLC
  • 音楽:iTunes
    • Macは捨てられてもiTunesを捨てるのはしばらく先になりそう。
  • ファイラ:As/R
    • 機能をほとんど使いこなせていないけど、手に馴染んでてよい。
  • ランチャ:Launchy
    • マウスを極力使わなくてよくなるのでよい。
  • テキストエディタ:Mery
    • 軽くて気軽に使えるのがよい。
  • クリーナ:CCleaner
    • これなんで使ってるんだろうなあ・・・よくわからなくなってきたよ・・・
  • 現像:Lightroom
    • これがあるからwindowsにしているといっても過言ではない。
  • 画像ビューア:MassiGra
    • 軽くてよい
  • IMEGoogle日本語入力
    • これ実はMS-IMEでもいいような気がするけど、今回もいれてしまった。
  • PuTTYsshクライアント

まとめ

ちゃんとした記事を書くには時間がいる。毎日何か書くのは大変だなあ・・・

OpenIndianaから脱出してUbuntuに戻った話(その2:ソフトウェアの準備)

この記事はぴょこりんクラスタ:Re Advent Calendar 2016 - Adventarのために書いたものです。

サマリ

  • ひよってUbuntu 16.04 LTSをいれてしまった。
  • サーバの名前は食べ物の名前にするという伝統を受け継ぎ、新NASのhostnameはmochiにした。

OSは何を入れたか

半年くらい前にマウスコンピュータで安めのノートPCを買って、Arch Linuxを放り込んで遊んでいたらすっかり慣れてしまったし*1、困ることも特段なかったのでArch Linuxでもよいかなと思ったけども、安定稼働という幻想が頭をよぎってUbuntu 16.04にした。基本的にはインストーラに従っていけばよいのは楽でいい。標準+OpenSSHサーバでインストールした。

どうせmdでソフトウェアRAIDにするし、今思えばArch Linuxにしてもよかったのではという感じだ。 CentOSDebianはちょっと古めなのが気になるし、Fedoraは常に崩壊しているという偏見がある。GUIがいらなかったのでManjaroとMintは選外となった。

サーバの名前はmochiにした。

必需品のインストール

このあたりは淡々と進めればよい。

# 必需品。vimは入っていた
% sudo apt install zsh tmux vim nmap sysstat git

# dotfilesのcloneとインストール
% git clone git@github.com:bisco/dotfiles.git
% cd dotfiles
% ./install.sh


# 引越用にcifs-utils
% sudo apt install cifs-utils

# 最近はntpdを使わないらしい
% sudo apt install chrony
% sudo vim /etc/chrony/chrony.conf

chrony.confの変更抜粋。nictはsinet経由になるから遅延がちょっと大きい、だそうだ。

<20行目付近>
#pool 2.debian.pool.ntp.org offline iburst
server ntp1.jst.mfeed.ad.jp offline iburst
server ntp2.jst.mfeed.ad.jp offline iburst
server ntp3.jst.mfeed.ad.jp offline iburst

<70行目付近>
#allow foo.example.net
#allow 10/8
#allow 0/0 (allow access by any IPv4 node)
#allow ::/0 (allow access by any IPv6 node)
allow 192.168.0.0/24

chrony.confを変更後、リブートしても起動するようにしておく。

% chronyc sources # 一応同期
% sudo systemctl restart chrony
% sudo systemctl enable chrony

mdでソフトウェアRAID

ZFSほどではないが、mdでソフトウェアRAIDするもの十分簡単。 mdでデバイス作ったあとはinitramfsを更新しておかないと、次回/dev/md0にならなくて/dev/md127になってしまい、 fstabに不用意に書いてると泣くことになるので注意。 仮に忘れたとしても、/dev/md0じゃなくて/dev/md/<hostname>:0みたいに名前でfstabへ書いておけばOK。

# まずはドライブをGPTでフォーマット。fdiskはMBRでフォーマットしてしまい、2TB以降を認識できなくなるので注意。
# sdaとsdbあわせて2回分やる
% sudo parted /dev/sda
(parted) mklabel gpt
(parted) mkpart primary 1M 4001GB
(parted) p # 念のため確認
(parted) q

# mdでRAID1にする
% sudo mdadm --create /dev/md0 --level=raid1 --raid-devices=2 /dev/sd[ab]1

# 設定を保存する
% sudo mdadm --detail --scan | sudo tee /etc/mdadm/mdadm.conf  

# ちゃんとinitramfsを更新する(僕は忘れてひどいめにあった)
% sudo update-initramfs -u

# かたそうなXFSにする
% sudo mkfs.xfs /dev/md0

# マウントポイントを用意
% sudo mkdir /mnt/md0

# ユーザが直接さわれるように777にしておく
% sudo chmod 777 /mnt/md0

# fstabに書き込む。 nofailにしておくと仮にこけてもブートしてくれる
echo "/dev/md/mochi:0 /mnt/md0 xfs nofail 0 0"  | sudo tee -a /etc/fstab 

Chinachu + Mirakurun on Docker

最初は普通に入れようと思ったけど、nodejsのバージョンが複雑怪奇でつらかったのでDocker版を入れた。 Dockerもaptで入るものだと古くてダメだったという落とし穴があった。 Chinachu on Dockerのインストール方法は以下を見てね。 qiita.com

受信できるチャンネル番号がわからない、そんなときは脳筋棍棒ソリューションで何とかしよう。 recpt1コマンドをぶん回して、受信できたっぽいものを設定すればよいのだ。

% docker exec -it mirakurun /bin/bash
bash-4.3# for i in {10..64}
do
echo "Channel $i" && recpt1 --b25 --strip --device /dev/pt3video2 $i 1 "/dev/null" && echo ""
done

なお、自分の環境だと、Chinachu + Mirakurun on Dockerを使ってTVtestでテレビを見ようとすると 途中で接続が途切れてしまうんだけどなんでだろう・・・ Windowsから見てるとMirakurunからパケットが飛んでこなくなってるように見えるけど・・・ BonDriver_Mirakurunをちゃんとビルドしなきゃダメかな・・・

Sambaの設定

Windowsとしか共有しないので、Sambaを入れる。 unix password = syncにすると勝手にユーザを同期してくれるかと思いきやそんなことはなく、手動でいれる必要があった。

% sudo apt install samba

# 設定ファイルを更新する
% sudo vim /etc/samba/smb.conf

# Sambaにユーザを追加する
% sudo smbpasswd -a <ユーザ名>

smb.conf(以下、一部抜粋)はこんな感じにした。インターネット各地に設定項目がちらばってたので結構苦労した。 面倒でもmanを読むべきだった。

[global]
# Character encoding
    unix charset = UTF-8
    dos charset = CP932

# Windowsから\\mochiでアクセスできるように
    netbios name = mochi

# bindするnetworkは固定し、さらに自宅内からのみアクセス可にする
interfaces = 127.0.0.1 192.168.0.0/24
bind interfaces only = yes
hosts allow = 192.168.0.0/24 127.0.0.1

# Sambaユーザのパスワード変更とLinuxユーザのパスワード変更を連動させる
unix password sync = yes

# 自分だけ入れる共有フォルダを作る
[share]
  path = /mnt/md0/share
  writable = yes
  create mode = 0644
  directory mode = 0775
  valid users = bisco
  force group = bisco
  force user = bisco
  acl allow execute always = yes

まとめ

mochiは今もちゃんと動いています。いまだにChinachu + Mirakurun on Dockerでのリアルタイム視聴はできないけど、録画はできているっぽいのでよしとする。 なんかいつの間にか直って困惑しているがともかく直ったのでよしとしよう!!

*1:常に最新に近いものが使えるのはとてもよかった

OpenIndianaから脱出してUbuntuに戻った話(その1:ハードウェアの準備)

この記事はぴょこりんクラスタ:Re Advent Calendar 2016 - Adventarのために書いたものです。

サマリ

OpenIndianaに嫌気がさしたので、UbuntuNASを組みなおした。

はじめに

OpenIndianaが更新されなくなって久しい。 当時の僕はZFSをどうしてもネイティブな環境で使いたくて、OpenIndianaを使ってNAS環境を作った。しかし、だがしかし、更新されないのはいい加減につらくなってきたし、たまにしかさわらないので使い慣れないし、たまに使ったら使い慣れてないせいでストレスたまるし、なんか最近ハードウェアの調子悪そうだし・・・などいろいろ重なったので、思い切ってNAS環境を作り直すことにした。

NASの材料

材料はこんな感じ。静かで小さなのがほしかったので、Mini-ITXでそろえた。 Mini-ITXは小さすぎてあまりドライブが積めないので、豪華に4TBのディスクを2本買ってRAID1にした。 本当は3~4本かってRAID5くらいにするのが費用対効果を考えるとちょうどいいと思う。

  • A1SAi-2550F(Intel Atom C2550, SoC, FCBGA 1283, 14W 4-Core)
  • メモリ8GB
  • Lian Li PC-Q21 シルバー
  • SilverStone SST-ST30SF V2(SFX 300W)
  • Crucial MX300 CT275MX300SSD1
  • HGST HDN724040AL(3.5" HDD 4TB 7.2k) x2
  • PT3

組み上げ時の1枚

Mini-ITXで組み上げるのはパズルを解くのに近い感覚があり、やれHDDが入らないとか、やれHDDの電源ケーブルが届かないとかでものすごく苦労した。HDD電源ケーブルに至っては付属品だと全く届かなかったので、あわててヨドバシの通販で延長コードを買うなんていうこともした。ともかくMini-ITXマザーボードとケースは小さく、僕の指はにんじんのように太いので、何度ねじを外したかわからない。

この写真を見ると何となくわかってもらえると思う。もはやマザーボードは見えやしないし、HDDなんてかすかにいることがわかる程度だ。

f:id:nbisco:20161207005844j:plain

OSのインストールとかはまた明日・・・