犬を連れて一時帰国する

この記事はサステナブルなぴょこりんクラスタ Advent Calendar 2023のために書いたものです。 このアドベントカレンダーは、こういう趣旨のものです

はじめに

去年の記事で、犬と一緒にアメリカ赴任する際に必要な手続きを書きました。 今でも元気よくかわいく暮らしてます。犬のいる生活は潤いがあって大変よいです。 シリコンバレー周辺は、良くも悪くも犬にやさしく(飼い主の自己管理が求められるともいう)、広い公園で走り回れたりもするので、 犬にとってもよい環境かなと思います。

最近朝晩寒くて布団にくるまっている犬

こんな感じでアメリカ生活は結構楽しくやっておりますが、たまには日本に帰りたくなります。 なので、休暇を取り、2週間ほど帰国することとしました。 この場合、ペットホテルに預ける or 連れていくの2択になりますが、 自分が住んでいるシリコンバレー界隈では、ペットホテルも安くはありません。 我が家の犬は去勢していないので、いろいろオプションをつけねばならず、2泊3日で550ドルくらいします。 2週間だと15泊16日になるので、少なく見積もっても4000ドル弱くらいします。これはさすがに経済的に厳しいですね。 なので、犬をアメリカのペットホテルではなく、一緒に連れて帰国することにしました。 本記事では、アメリカから日本へ犬を連れてくるのにどういう手続きをしたかを書こうと思います。

注意

この記事は、あくまで個人的なメモ書きであり、手続きの正確性や最新性を保証するものではありません。この記事に従って手続きしたからといって、 犬を連れて日本に入国できるとは限りません。必ず自己責任で調査の上、手続きしてください。

Executive Summary

これが最高の資料です。これに絶対従ってください。

www.maff.go.jp

今回の自分の場合は、抗体検査証明書をすでに持っていたこともあり、 上記の手順5からスタートできるので、以下の5つをクリアできれば晴れて日本入国です。

  • 狂犬病の抗体検査が基準値以上であることを示す証明書を手に入れる
  • 狂犬病の予防接種が途切れていないことを示す証明書を手に入れる
  • 40日前までに、入国を日本の検疫所に申請する
  • 出国日10日前以降に、獣医に健康診断をしてもらい、健康診断書を日本指定の書式で手に入れる
  • 航空会社に電話して、犬スペースを確保してもらう(1機につき1匹のみ運べるため)

では、各論行きましょう。

狂犬病の抗体検査の証明書を手に入れる

今回は、入国手続きの際に取得した証明書が有効期間内だったので、特にやることはありませんでした。 当日は必ず原本を持参しましょう。

なお、有効なものがない場合は、証明書取得の手続きが必要になります。 獣医さんに相談すれば、検査機関とのやり取りをやってもらえると思いますので、まずは相談しましょう。 狂犬病抗体検査の採血日を0日目として、日本到着まで180日間以上待機する必要があります。 6か月はかなり長いので、気を付けて計画しましょう。 ちなみに、検査自体は2か月程度、費用はだいたい500ドルくらい?かかるそうです。

狂犬病の予防接種が途切れていないことを示す証明書を手に入れる

普通にやってれば狂犬病予防接種は途切れないとは思いますので、証明書さえ入手すればOKです。 証明書は、予防接種をお願いした獣医さんに相談すると、何らかもらえると思います。

40日前までの入国申請

NACCSから必要事項を入力します。 狂犬病予防接種の履歴は、直近1件だけではなく、途切れていないことを示すために、過去の分も入力する必要があります。 狂犬病予防接種は、メーカーはさておき、不活化かどうかは記入する必要があります。タイプによっては無効扱いになるからですね。 私の場合は、抗体検査時に行った予防接種の履歴まで記入するよう、検疫所から指示がありました。 記入内容に迷ったら検疫所に相談しましょう。電話はつながらないので、メールが確実です。

NACCSで申請後、必ず到着空港の検疫所にメールで一報入れておきましょう。書類不備・不足があれば、丁寧に教えてくださいますし、 OKならOKと伝えてくれるので、申請がちゃんと通っているかやきもきせずに済みます。

出国日10日前以降に、獣医に健康診断をしてもらい、健康診断証明書を日本指定の書式で手に入れる

これは、アメリカから動物を輸出するために必須の書類兼日本入国に必須の書類になります。 アメリカから犬を輸出する場合、健康診断書を発行してもらう必要があります。 この診断書を、日本指定のもので出してもらうことができます。流れは以下です。

  • 獣医さんが健康診断を行い、日本フォーマットの診断書を作成する
  • USDAの担当者が確認してサインする
  • サインされた書類を受け取る

3営業日くらいかかるので、余裕をもって健康診断のスケジュールを組みましょう。自分は出国9日前に連れて行きました。 アメリカは、書類手続きが電子化されているので、診断書は紙ではなくPDF(手書きでサイン済み書類のスキャン)でもらえます。 USDAルールでは、出国時にこの書類を物理的に持っていないといけなさそうです。 ただし、日本の輸入検疫時には、最悪物理媒体がなくてもOKだそうです。まあ紙媒体で見せられるようにしておくのが安心だと思います。

日本指定の書式は、FormAC、FormREの2タイプありますが、どちらにするかは検疫所に相談しましょう。 自分の場合は、検疫所の指示に従って、FormACを使いました。 FormACが正式版、FormREが簡易版みたいな位置づけのようです。FormAC使っておけば問題なさそうですね。

ちなみに、健康診断、証明書発行もろもろ含めて700ドルくらいでした。

航空会社に電話して、犬スペースを確保してもらう(1機につき1匹のみ運べるため)

犬を連れていく人は少なそうですが、事前に電話で確保しておきましょう。少なくともJAL/ANAはウェブ申請はできないので、電話で一報いれる必要があります。

1機につき1匹のみ運べるそうで、運が悪いと連れていけなくなります。 席を確保したうえで、健康診断に臨めるとよいかなと思います。

ちなみに、犬運搬費は400ドルでした。カウンタで支払います。 なお、JALでは犬もマイレージクラブ会員になれるので、必要に応じてなっておくとよいと思います。

おわりに

いろいろありましたが、無事日本に今日も元気に走り回ってます。よかったよかった。

無事に日本に降り立った犬

なお、かかった金額は合計で1100ドルくらいです。日本滞在費を含めるともう少し増えますが、それでも4000ドルよりは少ないかなというところですね。 驚くべきはアメリカの物価である。。。